bochibochitaimのブログ

星空のような日常のひとコマを。

足首を骨折しました⑧

バスを降りて、手ぬぐいを忘れたことに気がついた私はバス会社を調べ、電話をした。

受けてくれた方は、『伝えておきます。』と言って、電話をきった。

翌日、バスに乗り込むと、すぐに運転手さんが『〇〇さん?手ぬぐい預かってますよ。それから、これ、もってます?』と、小さいコンパクトなバスの時刻表を手渡してくれた。本数の少ないバスなので、スマホで調べるのも見るのも一苦労だったのでとても助かった。また、路線図とその時刻表も載っていたので仕事以外でも移動が必要な時に役立つ。『ありがとうございます。』と、お礼を言って座席に座ろうとすると、昨日のお婆さんが『ここに座りなさい。』と言わんばかりにその座席をポンポンと手で叩いてくれた。

『おはようございます。』と、挨拶すると『今日はお天気で良かったわね。』と、微笑みかけてくれ、その後、毎日

バスに乗り込むと、その席は何も無ければ空いているようになっていた。

今まで、『他人に迷惑をかけない。』と心がけていたが、骨折をしたことにより、心がけても人の手を借りなければ、どうにもならないことがあるという事を改めて感じ、今までその事に気づいていなかった自分にも恥ずかしさを覚えた。

たくさんの人に助けられ、支えられて、バスに乗れたり仕事ができたり、大袈裟に言えば生きていられるのだと。骨折の不自由さがその事を教えてくれているようだった。

その気持ちとは裏腹に、『早く治して、周りの人の手をわずらわせてはいけない。』と、足を骨折してなければ…。と、どうにもならないことに、モヤモヤ、イライラが募っているのも事実だった。