bochibochitaimのブログ

星空のような日常のひとコマを。

足首を骨折しました⑯

毎日乗る路線バスも、もう顔馴染みとなっていた。毎朝必ず一緒になる、あのお婆さんも。

正直、松葉杖をついて1ヶ月がたっても、病院でレントゲンを撮ってもらうと骨はなかなかくっついていなかった。『まだ、松葉杖かなぁ〜。』医師の言葉にがっくりきてしまっていた。

バスに乗り込むと、そんながっかりさが顔に現れていたのか、毎日のようにお婆さんが声をかけてくれる。『今日は、昨日よりスムーズに歩けるようになったわね。』『あと、少しの辛抱よ。絶対に無理しちゃだめよ。』そんな言葉が、早く治そうと焦る気持ちを穏やかにさせてくれる。『あわてなくていいんだ。』仕事中も何かと無理をしようとする自分に、お婆さんがかけてくれた言葉を思い出す。

今日もなんとか、仕事ができた。ありがたい。夕方の最終便を待つ間は、日が落ちる寸前だ。空を眺めながめると、ツバメや鳥が巣に戻るのか、すごいスピードで飛んでいる。少し暗くなった頃にいつものバスがやってくる。ありがたい。バイクや車で好きなところへ自分で行っていた私にとっては、たくさんの人の手を借りて生活をしているお世話になっていることを噛み締めていた。