bochibochitaimのブログ

星空のような日常のひとコマを。

足首を骨折しました⓻

雨の中、バスがこちらに向かっているのがみえたのは、定刻より15分がすぎていた。

自宅から松葉杖でバス停まで歩き待っていたので30分くらいたっていたと思う。着ていたカッパはすでにビショビショで、片足で立っていたのでその足が耐えられなくなっていた。バスの中が濡れてしまうのは申し訳ないと、慌てて持っていた手ぬぐいで松葉杖に寄りかかりながら、水滴を拭った。

ちょうど、バスが到着し乗り込む。カッパに松葉杖の乗客に、かなりの視線を感じたが、座席に手ぬぐいを敷き、座ろうとした時『大変ね。』と、隣りに座っていたお婆さんが声をかけてくれた。どうやら、私がバスに乗り込もうとした時、一番近い席を空けてくれていたようだった。

以外な言葉にドキドキしてしまい、『はい。』としか返事ができなかった。

そのお婆さんは、私が降りる一つ手前のバス停で降りる。『あの、先程は席を譲ってくださりありがとうございました。』と、伝えると『私があなたの立場だったら、この席に座りたいと思ったから移動しただけよ。』と言い、降りて行った。なんと言っていいのか、あまりにも自然な言葉に、他人のことにそこまで想像し、行動できるってすごいなぁ。と、衝撃を受けた。

そうこうしているうちに、バス停に到着。相変わらず私は、『時間は遅れてるし、迷惑かけてはいけない、早く降りなきゃ。』と降り、歩き始めた時、バスの座席に敷いていた手ぬぐいを忘れたことに気がついた。