bochibochitaimのブログ

星空のような日常のひとコマを。

足首を骨折しました⑮

翌日からは、いままで通りの生活に戻っていた。朝は、早めに起きてひと通りのやる事をなぞらえる。普通のスピードではできないので、頭で考えながら動かないと、さらに時間がかかったり、焦るあまりまた違うケガにもなりかねない。そうなると、バスの時間に間に合わない。イコール仕事に間に合わない。となる。

自分の中で、『これ以上周りの人に甘えられない。』そんな気持ちが張り詰めていた。

準備オッケー、玄関に座り靴を履き腕時計を見ながら出発する。なんせかんせ、松葉杖。途中でなにが起こるか予測がつかない。朝の時間帯は、みんな急いでいるので、歩いていていつ接触してもおかしくない。なので、ゆっくりと確実に松葉杖をついて歩く必要があった。

夏も近づき、バス停で数分待つのだが、暑くて滝のようにあせが流れるのがわかる。そこで考えた。私には、ガリガリの細い身体があることを。

バス停の近くに、信号機の柱が立っていてそこだけは日陰だったことに気づいた。その細い柱の影に自分の身体を合わせると、ちょうど重なり日陰になった。まさか、信号機の柱が私の身体のダメージを軽減してくれるなんて、骨折しなかったらまったく気づかなかった事だろう。

なんだか、その事に気づけて嬉しかった。コンプレックスの体型がこんなところで生きるとは。ガリガリ体型もまんざらでもない。両親、ご先祖に感謝だ。

その後、晴れて暑い日はこの細い柱にお世話になることとなった。